今、世界はどう変化しているのか？
- デジタルな暮らしが、物理的な暮らしより価値を帯びてきています。
- 私の両親が子供だった頃（1960年代）、友達といえば、近所の子供でした。 しかし、近年は、SNSやオンラインGame（Fortnite等）やDiscordやVRchatなどの中に友だちがいます。
- 友達に限らず、さまざまなコミュニケーションが、デジタルな暮らし（スマートフォンやPCを通して行われている暮らし）を通して行われ、私たちは、生活の大半の時間を、デジタルに費やしています。
- みなさんのiPhoneのスクリーンタイムを見てみてください。いったい、1日の内、何時間をiPhoneを見ていることに費やしているでしょうか？？私は1日平均6時間＝1日の1/4の時間をiPhoneを見ています。PCを見ている時間を加えるとデジタルに費やす時間は起きている時間の80%です!?
- 最近、Oculus Quest2を購入しました。今後、仮にVR・ARグラスなどのデバイスの完成度が高まり、デバイスが普及すると、スマートフォンをポケットから取り出すという障壁もなくなるため、よりデジタルに費やす時間は増えてくることが予想されます。
- これだけの時間をデジタルな暮らしに費やしていると、デジタルでの「私」という存在の承認欲求の方が、物理的な「私」の承認欲求よりも大きくなってきます。この傾向は、現在でも既に起きています。
- ex）Instagramでフィルターを使う。これはお化粧しているようなものです。
- ex）Fortniteでスキンを買う。これは流行りの洋服を着るようなものです。
- デジタルな暮らしが、物理的な暮らしよりも価値を帯びてくると デジタルな暮らしで消費が生まれ、そこに「デジタル経済圏」が自然と生まれてきます。
デジタル経済圏とは、どんな経済圏なのか？
- デジタル経済圏の先進事例の1例として、GameFiのAxie Infinityの例を用いて考えてみたいと思います。
- Axie Infinityとは、ベトナムの会社が開発したブロックチェーンゲームです。
- ユーザーは、Axie Infinityで暗号資産（SLP/AXS）を得られます。余った（SLP/AXS）を、Defiで運用したり、BTC等に交換して、暗号資産交換所で日本円と交換します。
- ユーザーは、Axie Infinityのキャラクタ・アイテム（NFT）を成長させ、NFTマーケットプレイスで販売しETHを得て、そのETHを、暗号資産交換所で日本円と交換します。
- このように、これまで無かった暗号資産ネイティブな方法で生計を立てる新しい経済圏（デジタル経済圏）が生まれています。
Axie Infinity ecosystem
- もう1つのデジタル経済圏の 事例として、NFTコレクティブのBored Ape Yacht Clubの例を用いて考えてみたいと思います。
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Bored Ape Yacht Club（BAYC）とは、オンラインソーシャルクラブのアバターとコミュニティパスポートの両方のユーティリティ（機能）を有する10,000限定のNFTのコレクションです。
- ユーザーは、この猿のNFTをコレクティブアイテムとして売買できます。
- ユーザーは、この猿のNFTを持っていることで、（クールな）BAYCコミュニティに参加することができ、クールな人たちとコミュニケーションをしたり、そのコミュニティでしか入手できないグッズ（限定NFT、パーカー、ステッカーetc）を購入することができます。
- ユーザーは、購入したNFTをTwitterアイコンに設定することで、自分がクルーなコミュニティーの一員であることを、自分のフォローワーに自慢することもできます。
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このように、これまで無かったNFTを軸とした暗号資産ネイティブコミュニティと新しい経済圏（デジタル経済圏）が生まれています。
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GameFiやNFTコレクションは、暗号資産ネイティブなアプリケーションの1例でしかありません。その他にも、コレクションNFTゲーム（NBA TOP Shotなど）、分散型取引所（uniswapなど）、貸暗号資産サービス（Compoundなど）などが産まれており、今後は、加速度的に、多様な暗号資産ネイティブのアプリケーションが生まれてくると予想されます。
デジタル経済圏
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コインチェックとしては、デジタル経済圏コミュニティの一員として、このような暗号資産ネイティブのアプリケーションを産み出す会社・DAOを、ノウハウ面（法律面・会計/税務面・テクノロジー面）・資金面等で支援し、デジタル経済圏コミュニティーに貢献していけたらと思います。
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このようなデジタル経済圏ができるようになったのは、ブロックチェーンという技術革新により、暗号資産やNFT等のデジタル資産を、emailを送るように、かんたん・安く・便利に、時間・場所を超えて送りあえるようになったからです。
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これは、インターネットが「情報のインターネットの時代」から「価値のインターネットの時代」へ進化したということだと思います。
デジタル経済圏ができると、誰が、どう嬉しいのか？
- なぜ、コインチェックは、デジタル経済圏を産み出そうとしているのでしょうか？
- デジタル経済圏は、これからルールや枠組みが作られる新世界です。新世界では、挑戦した人に平等にチャンスがあります。
- 私は、デジタル経済圏を作り出すことで、国も年齢も性別も学歴も社会的地位も関係ない、挑戦した人にチャンスがある社会を実現できると思っています。
- コインチェックを創業した時、暗号資産市場には、ルールも枠組みはありませんでした。
- 「暗号資産事業は金融事業。金融の世界は学歴重視であり、金融業界での職務経験がないのであれば、やめた方が良い。」直接的に言わないまでも、否定的な意見がほとんどでした。
- 私たちのことを思って助言していただけることは、とてもありがたいことでした。一方、様々な困難はあれど、覚悟を持ってやり遂げることで、年齢や学歴や社会的地位も関係なく成し遂げられるのではないか？そんな想いを胸に、勇気を持って挑戦してきました。暗号資産市場を創ろうと同じ志で挑戦していた競合の人たちと、ルールも枠組みも作りながら市場を作ってきました。
- 日本の東京で生活していると気づきにくいですが、現代は、人の一生は、生まれた国、生まれた都市、年齢（生まれた時代）、性別（ジェンダー）によって掴めるチャンスが異なっています。
- 祖国が内戦のため職を失い難民となり西欧諸国を目指す人々、幼い二人の弟を食わすためにゴミを集め命を削りながらも炭を作る少年。幼くして介護が必要な家族を持ち介護しなければならなくなった若者。
- 世界にはこのような人々が沢山います。彼らのような人々は、銀行口座は持ってなかったとしても、スマートフォンを通してインターネットにはアクセスすることができます。デジタル経済経済圏を作り出すことができれば、彼らにも人生のチャンスを提供できるのではないか？と考えています。
- 海外の事例でピンとこないのであれば、日本のNFTアーティストのケースを考えてみましょう。
- 今、日本でNFTアートに本気で挑戦している人たちは、多くが10代-20代の若者です。彼らのnoteを読み、Twitter SPACEを聴き、直接会って話を聞くと、彼らには学歴も社会的地位も家柄もなく何者でもない若者であることがわかります。彼らは仕事も辞め・大学も中退し、自分の全部の時間をNFTアート制作とマーケティングとNFTの研究に時間を費やしているいます。NFTというクリプトネイティブなアプリケーションを必死で学び、このチャンスに覚悟と勇気を持って挑戦しチャンスを掴もうとしています。
- デジタル経済圏では、誰にでも平等にチャンスが開かれています。大きい資本もいらない。家柄（生まれ持った信用）も関係ない。ジェンダーも関係ない。年齢も学歴も社会的地位も関係ない。**唯一必要なのは挑戦する覚悟と勇気です。**覚悟と勇気を持って挑戦する人にチャンスがある社会。デジタル経済圏を生み出すことで、コインチェック創業期に想い描いた想いを実現できるのではないか？と私は考えています。
なぜ、暗号資産が重要なのか？
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デジタル経済圏のコアとなる暗号資産とは、何なのでしょうか？
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暗号資産は、価格の乱高下にばかり注目が集まっていますが、価格の乱高下（暗号資産の投資）は暗号資産の最初のユースケースでしかありません。
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暗号資産の起源であるビットコインのホワイトペーパーに立ち戻ると、ホワイトペーパーのタイトルは、「A Peer-to-Peer Electronic Cash System」 であり、ビットコインは、電子的にお金（価値）を送る共通企画（プロトコル）を指していることがわかります。
- **暗号資産とは、価値を送る共通企画（プロトコル）**なのだと私は考えています。
- 情報を送る共通企画は、TCP/IP、HTTP、SMTPなどでした。これら共通企画が発明されたことにより、私たちは誰にでもメールを送れたり、動画を楽しんでみたり、SNSで友達とやりとりすることができるようになりました。
- 価値を送る共通企画が、BTC、ETHであり、様々な暗号資産です。BTCやETHなどが発明されたことにより、私たちは、誰にでもデジタル資産を送れたり、貸したりすることができるようになりました。
インターネットプロトコルの最後のピース:money protocol 参考：Pantera Capital
- 暗号資産ネイティブプロジェクトのフィードバックループ
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挑戦する人が暗号資産ネイティブのアプリケーションを開発する。そのアプリケーションに紐づく暗号資産がインセンティブとなり暗号資産保有者は開発やマーケティングを支援する。暗号資産ネイティブアプリケーションのユーザーが増えたり、プロダクトが改善する。暗号資産の価値が上がる。投資家から資金を入る。暗号資産の価値があがる。暗号資産がインセンティブとなり、暗号資産保有者が開発やマーケティングを支援する。.....（繰返し）
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暗号資産・NFTというデジタル資産がインセンティブとなり、そのプロジェクトに関わる人が、自発的に、会社という枠組みをこえて、拡めたり、プロダクトを改善します。このフィードバックループがデジタル経済圏の革新性です。
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デジタル経済圏では、暗号資産・NFTを活用することで仲間を集めることができるようになります。暗号資産・NFTとは、デジタル経済圏を回す血液なのだと思います。
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なぜ、暗号資産交換所が重要なのか？
- デジタル経済圏において、暗号資産交換所は、どのような役割を担うのでしょうか？
- 法定通貨経済圏とデジタル経済圏をつなぐゲートウェイ
- 私は、法定通貨経済圏とデジタル経済圏をつなぐゲートウェイだと認識しています。
- ゲートウェイがKYC（Know Your Customer ：ユーザーの本人確認作業）を行うことで経済圏内外で不正な人に資産が流れることを防ぎ反社会勢力に資金が流れることを防くことになります。反社会勢力に資金が流れないことは私たちの実社会の平和と安定を実現する上で非常に重要であるため、暗号資産交換所というのは社会インフラのサービスの役割を担っています。
- かんたんなUIを通して、多くの人にデジタル経済圏の便益を届ける。
- 暗号資産交換所が出来る前、暗号資産初期ユーザーは秘密鍵を自分で保管し、黒い画面にコマンドを打ち込んで暗号資産を管理していました。
- しかし、黒い画面にコマンドを打ち込んで管理するというユーザー体験はエンジニアしかやりづらいことであり、多く一般の人たちには難しすぎました。これは、NFTに関しても同じことが言えます。
- そのため、暗号資産交換所・NFTマーケットプレイスが「使いやすいUX」を提供することでデジタル経済圏の便益が一般の人々に届くことになります。
- より多くの一般の人たちにデジタル経済圏の便益を届けることで、暗号資産・NFTの価値は高まり、その価値の高まりを求めて挑戦する人がデジタル経済圏に増える。挑戦する人が増えることで暗号資産・NFTの価値は高まる... この正のフィードバックループを生み出す役割を担っているのが暗号資産交換所・NFTマーケットプレイスです。
Coincheckが目指す姿とは？
- Coincheckは、ユーザーの求めに応じ「使いやすさを重視した暗号資産交換所」から始まりました。しかし、これは、デジタル経済圏を構築する第一歩でしかありません。
- Googleが、検索からはじめてユーザーを増やし、Gmail・GoogleMap・GoogleEarthと取扱うアプリケーションカテゴリを増やしたように、
- Amazonが、本からはじめてユーザーを増やし、CD・DVD、ホーム＆キッチン、家電と取扱う商品カテゴリを増やしていったように、
- Coincheckは、暗号資産交換所からはじめてユーザーを増やし、ここから、Staking、IEO、NFTマーケットプレイス、etc 暗号資産ネイティブのサービスを増やし、デジタル経済圏を生み出し続けていきたいと考えています。
- また、デジタル経済圏は、今日のGAFAM経済圏のように、一社で市場独占し創造できる経済圏ではないと思っています。私たちと同じVisionを持ち、デジタル経済圏に挑戦をしようとしている会社やDAOと協力して創造していく経済圏だと思っています。
- コインチェックは、同じVisionを持った会社やDAOと協力しデジタル経済圏を創造していきます。